相続税申告
相続税の申告・相談は当事務所へお任せください
相続税に関する事柄が下記に示す通り非常に煩雑で、お客様にとって分かりにくいのは当たり前のことです。当事務所ではお客様目線で、分かりやすく,丁寧に,ご納得いただけるよう手続きを進めてまいります。
また、相続が開始されると[7.一般的な相続税の申告手続のスケジュール]のように手続きを進めていきますが、何をすればよいのか,何から手をつければよいのかわからないといった声が多く聞かれます。そのような中で、[3.相続税の申告と納税]に示すように相続税の申告には期限があり、思っているよりもあっという間に申告期限は訪れてしまいます。そこで、[4.相続税が課される財産]の現状をなるべく早く把握した上で、用いることのできる税額控除などを検討し事前に対策することも有効な手立てです。
こうした相続税申告,相続税対策を行っていく中で、目先の節税のみならず、この先想定される二次相続や長期的な資産継承,事業継承についてもご一緒に検討してまいります。
なお、事前にご相談頂けると、ご家族の集まりやすい土曜,日曜,祝日のご相談、および福山市,府中市,笠岡市,井原市といった近隣のみならず広島市,岡山市等の遠方のお客様もノンストップで対応いたします。
相続税申告を通して、故人の思いを最大限受け取るためのお手伝いをさせていただきますので、相続税の申告は是非当事務所へお任せください。
1.相続税とは
相続税は、個人が被相続人(亡くなられた人のことをいいます。)から相続などによって財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税金です。
2.相続税の申告が必要な人とは
被相続人から相続によって「財産を取得した人それぞれの課税価格の合計額」(「4.相続税が課される財産」の価額の合計額から「5.相続財産の価額から控除できる債務と葬式費用」の合計額を差し引いた金額)が、「遺産に係る基礎控除額」を超える場合、その財産を取得した人は、相続税の申告をする必要があります。
「遺産に係る基礎控除額」 = 3,000 万円 + ( 600 万円 × 法定相続人の数※ )
※「法定相続人の数」は、相続人のうち相続を放棄した人があっても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいますが、被相続人に養子がいる場合に法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人(実子がいないときは2人)までとなります。
〇「相続人」とは
民法では、相続人の範囲と順位を次のとおり定めています。
1 被相続人の配偶者は、常に相続人となります。
2 次の人は、次の順位で配偶者とともに相続人となります。
【第1順位】 被相続人の子(子が被相続人の相続開始以前に死亡しているときなどは、孫(直系卑属)が相続人となります。)
【第2順位】 被相続人に子や孫(直系卑属)がいないときは、被相続人の父母(父母が被相続人の相続開始以前に死亡しているときなどは、被相続人の祖父母(直系尊属)が相続人となります。)
【第3順位】 被相続人に子や孫(直系卑属)も父母や祖父母(直系尊属)もいないときは、被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が被相続人の相続開始以前に死亡しているときなどは、被相続人のおい,めい(兄弟姉妹の子)が相続人となります。)
3.相続税の申告と納税
相続税の申告をする必要がある場合には、相続の開始があったことを知った日(通常の場合は、被相続人が亡くなった日)の翌日から10か月目の日までに、被相続人の住所地を管轄する税務署に相続税の申告書を提出するとともに、納付税額が算出される場合には、納税しなければなりません。
申告書の提出期限に遅れて申告と納税をした場合には、原則として加算税及び延滞税がかかりますのでご注意ください。
(注)相続税の申告の必要がない場合でも、相続時精算課税を適用した財産について既に納めた贈与税がある場合には、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。この還付を受けるための申告書は、相続開始の日の翌日から起算して5年を経過する日まで提出することができます。
4.相続税が課される財産
(1)被相続人が亡くなった時点において所有していた財産
①土地,②建物,③株式や公社債などの有価証券,④預貯金,⑤現金などのほか、金銭に見積もることができるすべての財産が相続税の課税対象となります。そのため、日本国内に所在する財産のほか、日本国外に所在する財産も相続税の課税対象となります。
なお、財産の名義にかかわらず、被相続人の財産で家族の名義となっているものなども相続税の課税対象となります。
(2)みなし相続財産
被相続人の死亡に伴い支払われる「生命保険金」や「退職金」などは、相続によって取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。
ただし、「生命保険金」や「退職金」のうち、一定の金額※までは非課税となります。
※「一定の金額」とは、「生命保険金」及び「退職金」の区分ごとに、次の算式によって計算した金額です。
(算式) 500 万円 × 法定相続人の数 × ( その相続人の取得した保険金等の合計額 / 相続人全員の取得した保険金等の合計額 )
(3)被相続人から取得した相続時精算課税適用財産
被相続人から生前に贈与を受け、贈与税の申告の際に相続時精算課税を適用していた場合、その財産は相続税の課税対象となります。この場合、相続開始の時の価額ではなく、贈与の時の価額を相続税の課税価格に加算します。
(4)被相続人から相続開始前3年以内に取得した暦年課税適用財産
被相続人から相続などによって財産を取得した人が、被相続人が亡くなる前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産は、相続税の課税対象となります。この場合、相続開始の時の価額ではなく、贈与の時の価額を相続税の課税価格に加算します。
5.相続財産の価額から控除できる債務と葬式費用
(1)控除できる債務
被相続人の債務は、相続財産の価額から差し引かれます。
差し引くことができる債務には、借入金や未払金のほか、被相続人が納めなければならなかった税金で、まだ納めていなかったものも含まれます。
(2)控除できる葬式費用
被相続人の葬式で相続人が負担した葬式費用は、相続財産の価額から差し引かれます。
葬式費用とは、①お寺などへの支払,②葬儀社などへの支払,③お通夜に要した費用などです。
なお、墓地や墓碑などの購入費用,香典返しの費用や法要に要した費用などは、葬式費用に含まれません。
6.主な相続財産の評価方法
(1)宅地
宅地の評価方法には、【路線価方式】と【倍率方式】があります。
【路線価方式】
路線価が定められている地域の評価方法です。路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地1平方メートル当たりの価額のことで、「路線価図」で確認できます。
宅地の価額は、原則として、路線価をその宅地の形状等に応じた調整率(※)で補正した後、その宅地の面積をかけて計算します。※調整率には、「奥行価格補正率」,「側方路線影響加算率」などがあります。
【倍率方式】
路線価が定められていない地域の評価方法です。宅地の価額は、原則として、その宅地の固定資産税評価額(市(区)役所又は町村役場で確認いたします。)に一定の倍率(倍率は「評価倍率表(※)」で確認できます。)を掛けて計算します。※評価倍率表の「固定資産税評価額に乗ずる倍率等」の「宅地」欄に「路線」と表示されている地域については、路線価方式により評価を行います。
(2)建物
原則として、固定資産税評価額(市(区)役所又は町村役場で確認いたします。)により評価します。
(3)上場株式
原則として、次のイからニまでの価額のうち、最も低い価額により評価します。
イ 相続の開始があった日の終値
ロ 相続の開始があった月の毎日の終値の月平均額
ハ 相続の開始があった月の前月の毎日の終値の月平均額
ニ 相続の開始があった月の前々月の毎日の終値の月平均額
(4)預貯金
原則として、相続開始の日現在の預入残高と相続開始の日現在において解約するとした場合に支払を受けることができる既経過利子の額との合計額により評価します。
ただし、定期預金,定期郵便貯金及び定額郵便貯金以外の預貯金については、相続開始の日現在の既経過利子の額が少額なものに限り、相続開始の日現在の預入残高で評価します。
7.一般的な相続税の申告手続のスケジュール
1 相続人の確認
被相続人(亡くなられた人のことをいいます。以下同じです。)と相続人(被相続人の財産上の地位を引き継ぐ人をいいます。以下同じです。)の本籍地から戸籍謄本を取り寄せて相続人を確認します。
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2 遺言書の有無の確認
遺言書があれば遺言書を開封する前に家庭裁判所で検認を受けます。ただし、公正証書および法務局に保管された自筆証書による遺言は検認を受ける必要はありません。
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3 遺産と債務の確認
遺産と債務を調べてその目録や一覧表を作っておきます。
また、葬式費用も遺産額から差し引きますので、領収書などで確認しておきます。
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4 遺産の評価
相続税がかかる財産の評価については、相続税法と財産評価基本通達により定められ一般に公表されていますので、それらにより評価します。
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5 遺産の分割
遺言書がある場合にはそれによりますが、遺言書がない場合には、相続人全員で遺産の分割について協議をし、分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成してください。
なお、相続人のなかに未成年者がいる場合には、その未成年者について家庭裁判所で特別代理人の選任を受けなければならない場合があります。この場合、特別代理人が、その未成年者に代わって遺産の分割協議を行います。
また、期限までに分割できなかったときは民法に規定する相続分で相続財産を取得したものとして相続税の申告をすることになります。
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6 申告と納税
相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に行うことになっています。
また、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合の申告書の提出先、納税先はいずれも被相続人の住所地を所轄する税務署です。相続人の住所地ではありません。
相続税は、申告書の提出期限までに金銭で納めるのが原則です。しかし、相続税の納税については、何年かに分けて金銭で納める延納と相続または遺贈で取得した財産そのもので納める物納という制度があります。この延納、物納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。